名古屋の催眠療法士(公認心理士)の紫紋です。
飽き性の私が、すでに13年もこの生業。
催眠って本当に不思議なことってよくあるので、私はすっかり慣れっこですが、
知らない人にとってはびっくりな話ってあるものです。
催眠療法の有効性、認知を広めるためにも
不思議話の棚卸しのためにも
ここで書いていこうと思います。
〜〜〜〜〜
8〜10年くらい前でしょうか。
私自身まだまだ駆け出しで
興味とやりたい気持ちばっかりが強かった頃。
「今から行きたいです」と、
夕方に急なご予約をいただいたことがありました。
お越しいただいたのは背が高い細身の50代くらいだったかなの男性。
シンプルでも高価そうなデザインのジャケットがよくお似合いの方でした。
でも、腰をずっと抑えて痛みに耐えているご様子。
お話を伺うと、
「半年くらい前にがんの手術をしたのだけど、手術はうまくいったのに、それからずっと腰が痛くてたまらない。病院では腰痛の理由は見当たらないから、針やマッサージに通っているが、大した効果は上がっってない。この痛みをなんとかしてくれ」とのこと。
本当に痛そうでした。
そしてふと、スマホの画面を開いてYouTubeを見せてくださいました。
この方は若い頃のある競技。
「命知らずでね。これは今でも伝説のように語られているんだよ」
ファンの投稿のようです。再生回数は多く、
熱いコメントがたくさん載っていたように記憶します。
その競技を始めた経緯、伝説の日のこと、引退のこと、がんのこと、腰痛のこと・・破天荒な人生。たくさん語ってくださいました。
苦労の中で生き抜いた力、人間的魅力が、優しいオーラとなってクライアント様の周りを囲んでいるように思えました。
お話を伺い、いよいよセッションという流れに。
当時、私は催眠療法士としては本当に駆け出し。知識も経験も浅く、相当痛そうなこのクライアント様に対して果たして催眠状態にはいるのか、効果があるのか、どんな進行しようとか、効果なかったらどうしよう、ドキドキするなぁなんて、頭の中はうるさい状態。
でも「私にはできません」なんてセラピストが言ったら、それこそクライアント様にネガティブな暗示が入ってしまうので「大丈夫です。まずはやってみましょう」と平静を装い、頭の中で進行を組み立て、セッションに挑むことにしました。
セッション前には、皆さんトイレに行って頂いていますが、その際もクライアント様は前屈みで、本当に痛そう。辛そうに腰を押さえて歩かれます。
大丈夫かなぁ、とついつい本音が漏れそうになりますが、そこはぐっと我慢。いよいよ、ヒプノセラピーのセッションに。
リクライニングチェアに横になって頂き、穏やかな言葉によって催眠導入をしていくと
最初はもぞもぞと痛そうに体を動かされていましたが、しばらくすると、動きが落ち着き、涙が頬を伝っていました。
クライアント様の中には、
潜在意識に到達するだけでも泣かれる方もいます。
悲しくも、嬉しいのでもなくただ泣ける。
感性に身を委ねたときに、なぜか涙が出てくるのでしょう。
しばらくすると嗚咽に変わり、絞り出すように言われます。
「なんでだよ。なんでそんなことをしたんだよ」
深い催眠に入っているのは一目瞭然です。
今は、クライアント様の世界観の中でいろんな情景が展開している。こんな時は私の進行やセッションの組み立ては邪魔になるから、私はただ共感し相槌をうちながら、全てを吐き出してもらうことに徹していきました。
「なんで裏切ったんだよ。どうしてだよ。2人だけで助け合って生きてきたじゃないか」
壮絶な家庭環境。幼い頃から弟さんと2人だけでお互いを頼りに生きてきたような人生。
10年前にある事情で弟さんと仲違いし、縁を切るような形で離れてその時飲み込んだたくさんの感情達は心に折り重なって積もっていて、ヒプノによって心に到達したことで、堰を切ったように溢れたようでした。
涙とともに、切ない言葉が続きます。
悔しく、悲しく、怒り、諦め、でも愛を語られる。
途中、クライアント様が、夜の草原、星がいっぱいの空を見上げる場面がありましたが、
その時、少し私も不思議な体験が。
私もその草原でクライアント様の隣にいたように感じたのです。
その静寂のエネルギーに包まれて、濡れた草原の香り、虫の声、ひんやりした空気。まるで私も一緒に空を見上げているような感覚です。
セッション中って、どのクライアント様にもその世界観に入ったような「イメージ」で進めていくのですが、イメージするとも違う、確かにその草原に私も並んでいる不思議な感覚・・。
この時は、どのようにこの後進行したのか覚えていないのですが、
あまり何もしなかったように思います。(当時、私未熟だったし・・)
セッション後、リクライニングチェアから起きあがられ、
「あれ、全然痛くない」と嬉しそうに腰を伸ばして立ち上がられ・・
「また痛くなったら来るね」と帰っていかれました。
あんなに痛そうになられていたのに、帰りには痛みがなくなって帰られたのはびっくりしました。
「腰痛は怒りである」
「痛みは脳が感じる」を知らなかった頃。
感情が心も身体も蝕んでいたこと、潜在意識下で感情の解放することで
痛みが消えることに、当時はすごくびっくりしました。
男性って、なかなか正直に気持ちを吐き出したり、涙流せるところないですものね。
号泣されて、感情を出されたことで、痛みがおさまったのかもしれません。
書いていて思いましたが(うまく表現できないのですが)
感性のまま生規定り、天才的な才能を持つ方って、無意識下で想念でエネルギーを司る事ができて、場を掌握して周りを巻き込んで才能を発揮していくんだろうな・・なんて、クライアント様とともに見上げた夜空を思い出し、振り返って思いました。
その後一度も来られていないのは、
よくなられたのか、効果がなかったのか・・
いずれにしろ、そのクライアント様が
痛みもご病気も良くなられて
信頼できる方と、穏やかなる人生を
楽しく歩まれていることを心より願っています🌟
〜〜〜〜
※ちなみに私は、大したスピリチュアルな能力はありません。
仕事柄、多少は洞察力・経験からくる直感力が身に付いてはいますが、超現実主義者です。
でもヒプノセラピストしていると不思議に遭遇できるから、本当に面白いです。
※あと記憶だけを頼りに書いていますので、細かいところが違っていたり、逆に本人だと特定できないようにぼやかしているところもあります。
が、嘘とか話を盛ったりするのは嫌なので、
まぁ、覚えている範囲で事実を書いてます。
ネタはたくさんあるので、ちょいちょい書きますね。
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